さらに事業を発展させたい方
更に事業を発展させたい方へ、~経営計画を立てる~
経営計画の必要性を説明するのは、なかなか難しいのです。
『経営計画なんか無くてもいままでちゃんとやってきた』
『経営計画を作ったって、どうせ計画通りに行かない』
『そんな時間があったら、売上を上げることに専念したい』
経営計画を作らない理由もいくらでも出てきます。 たしかに経営計画を立てた効果が、
これらに勝るものでないと経営計画を立てる意味が無いのです。
ですが、多くの企業が経営計画を立て、実践しています。
なぜ経営計画を立てるのでしょう。
ここでは、経営計画の必要性と、大まかな経営計画の立て方をご説明します。
経営計画の必要性
経営計画は単に売上目標や利益目標を作るためのものではありません。経営計画は行動計画です。
会社の将来の目標を決め、その目標を達成する為に何をすればよいか計画を立てることは必要とは思いませんか?
もっと分かりやすく説明しましょう
あなたは結婚して5年。子供も可愛い盛りです。
今は賃貸マンション暮らしですが、いつかは自分の家を持ちたいと思っています。
家を買うのにローンを組むとしても、それまでに出来るだけ頭金は用意しておきたい…
その場合に、
何年後に家を買うか、 いくらぐらいの家を買うか、 頭金はいくら貯めるか
なんてことを考えると思います。
そして、
それなら毎年いくらずつ貯金していく必要があるな。でもその間に車も買い替えたいし…
じゃあ、毎日していた晩酌の回数を減らすか。旅行に行く回数を減らすか…
などと、これから起こすアクションまで考えて、『家を買う』という目標を達成するための計画を立てるわけです。
ご家庭でも計画を立てるのですから、事業で経営計画を立てるのは当然だとは思いませんか?
また、家を買う話ならあなたと奥様が目標と計画を共有すればいいのですから、お二人で話し合いをするだけで済みますが、
会社の経営計画は全社員に知りわたらせないと意味がありません。
そのために、『数字目標』と『行動目標』を入れた経営計画を全社一丸で作成し、全社員で共有することが必要となるのです。
利益計画を立てる
事業を行う上で、一番重要なのはいくらの利益を出すか?ということです。
事業の拡大、設備投資、基本的には全て事業で利益を出して残った資金を使って行います。
ですから、まずは利益を残していかないと始まりません。
経営計画も売上を先に決めるのではなく、利益を先に決めていきます。単純に説明しますと
(減価償却や借入返済など細かい話は除きます)
といった感じで目標売上高が算定されます。
P/L(損益計算書)を下から逆算していく感じになります。
年間予算を作成する
利益計画を立てて、目標売上も算定されたところで、これが実際に達成できないものでは、『絵に書いた餅』になってしまいます。
実際に利益計画を基に、損益計算書に具体的な数値を落とし込んで全体計画を作成します。
1年を月単位に分けて行うのが良いでしょう。
将来の数値ですので、あくまでも予測値になりますが、ある程度のものは、過去の決算資料から拾い出せると思います。(人件費・賃借料・光熱費・減価償却費など)
具体的な数字の入った損益表を作っていくうちに最初の利益目標の実現可能性も見えてくると思います。
また、ここで粗利益率の改善や個別経費の削減など、といったアクションプランも出てくると思います。
なお、数字は丸い数字で充分です。細かくても千円単位でかまいません。
部門別・商品別予算に落とし込む
体計画が完成したら、これを更に部門別、商品別などに分解します。
これは、全体計画を受けて、各部門の長、責任者が作成するのが好ましいと思います。
ここで気をつけなくてはならないのは、トップダウンの全体計画を受けて、部門長が全体計画にあわせた無理な部門計画を作成してしまわないようにすることで す。部門長はあくまでも現場の代表ですから、現場の意見を反映した部門計画を作成してください。経営計画の作成は全社で行うプロジェクトですから、全体計 画と部門別・商品別計画について、経営者と担当者が意見をすり合わせて、双方が合意するまで行わなければ目標の共有が難しくなってきます。
行動計画を立てる
数字上の計画の裏には達成するための行動が伴わなくてはなりません。
行動計画は、会社全体、部門、各担当者それぞれが作成します。
分かりやすい例で説明します。
今期の全体計画を達成するために、会社全体の行動目標を立てたとします。
上記の様な行動計画が自然とできてくるでしょう。
ここで重要なのは、具体的な期日(○月までに)と数字を織り込んで、各担当者が意識を持つことと、 あとで実績との検証が出来るようにすることです。
中期計画を作成する
経営計画は中期(3年から5年の期間)のものまで作成します。
『1年先を考えるので精一杯だよ』というご意見ももっともですが、変化のない商売はありません。現状維持でいい。というのなら話は別ですが、(今の世の中 現状維持を目標にしていたら衰退に向かうと思いますが・・・)3年5年後に新たな設備投資をしたい。営業部隊を作りたい、出店をしたい。などという目標が あるはずです。
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そのためにはいくらの資金があればよいのでしょうか?
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その資金はどうしますか?
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すべての資金を銀行から借りますか?
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できれば稼いだ利益を充てたいですよね。
……おのずと毎年いくらずつ稼がなければならないかが分かってくると思います。
中期計画のイメージとしては、1年単位の計画を5年分作成し、計画初年度が終わる前に残りの4年分の計画の見直しと、その次の1年分の計画を立て、常に5年分の計画がある。というようにします。
もちろん、更に長い長期計画を作成することも可能です。
経営ビジョン
中期計画・長期計画を作成する上で、その土台となるのは、会社(経営者)のビジョンです。
『これから会社をどうして行きたいか』というビジョンがあってこその経営計画です。
これがないと従業員に共感や感動を与えられませんし、企業行動にも一貫性が出てきません。
ビジョンを追求していくと会社の存在意義まで行き着きます。
ビジョン=経営理念となっている企業もたくさんあります。
実績管理
経営計画の最も重要な点は、作っておしまい。ではなく、計画と実績とを比較検証していくことです。
月時単位で行うのか、4半期単位で行うのか、という差はありますが、出来るだけ短いスパンで計画と実績のズレを検討し、必要があれば行動計画を修正することとなります。
このときに、計画と実績のズレの原因をとことん追求することが改善のための最短距離です。
経営計画は大企業だけのものなのか
経営計画作成について、『そんなものは大手の企業がやること』と思われるかもしれません。
ですが、中小企業にこそ経営計画の作成は向いている。ということをご理解ください。
何度も述べましたが、経営計画の作成は全社で行うプロジェクトです。会社が大きくなればなるほど、経営計画作成にかかる手間や時間、コストもかかります。逆を言えば、中小企業であれば、上に説明した流れも更に簡素化することも出来るのです。
また、『会社がもう少し大きくなってからはじめるよ』という方もいらっしゃるかもしれません。会社が大きくなってから、いざ経営計画を立てよう。として も、今まで会社になかったものを導入する際の障害は、会社の規模が大きくなればなるほど多くなることは、スグにお分かりいただけると思います。ですが、会 社の規模がまだ小さい頃から経営計画作成を導入していれば、会社が大きくなってもそれは当然のこととして会社に根付きます。
税理士法人としてのお手伝い
営計画は社長と税理士が数字だけを見ながら作成するものではありません。
そんなものでは、全社員が同意し、共有できないからです。
しかしながら、数字計画を作成する際に、適正な数値の算出や諸々の経営指標の分析など、やはり専門家に頼らざるを得ないことが出てきます。
当事務所では、まずは、社長とのヒヤリングから始まり、経営計画の数字上のアドバイス、必要があれば実際に御社に伺い経営計画作成のために各部門長、担当 者様へのアドバイス、経営計画策定会議への出席もさせていただき、御社にとって有用な経営計画作成のお手伝いをさせていただきます。
経営計画の必要性をお感じの方は是非お問い合わせください。
なお、本サービスは税務顧問料とは別途料金となります。