相続財産から控除できる債務
相続税を計算するときは、被相続人が残した借入金などの債務を遺産総額から差し引くことができます。
遺産総額から差し引くことができる債務
1.債務
差し引くことができる債務は、被相続人が死亡したときにあった債務で確実と認められるものです。したがって、保証債務については、原則として、控除できません。
また、お墓の未払い金など非課税財産に係る債務は、差し引くことはできません。
なお、被相続人に課される税金で被相続人の死亡後相続人などが納付又は徴収されることになった所得税などの税金については被相続人が死亡したときに確定していないものであっても、債務として遺産総額から差し引くことができます。
ただし、相続人などの責任に基づいて納付したり、徴収されることになった延滞税や加算税などは遺産総額から差し引くことはできません。
2.葬式費用
葬式費用は債務ではありませんが、相続税を計算するときは遺産総額から差し引くことができます。
なお、香典返戻費用や法会に要する費用は葬式費用としては取扱わないこととされています。
債務や葬式費用を差し引くことができる者
債務などを差し引くことのできる者は、その債務などを負担することになる相続人や包括受遺者(相続時精算課税の適用により財産をもらった人を含みます。)です。
(注)包括受遺者とは、遺言により遺産の全部又は何分のいくつというように遺産の全体に対する割合で財産を与えられた人のことをいいます。
なお、相続人や包括受遺者であっても、相続又は遺贈により財産を取得したときに日本国内に住所がなく、被相続人の死亡前5年以内に日本国内に住所を有したことがない人は、控除できる債務の範囲が限られ、葬式費用も控除することはできません。