ICカード・オートチャージの変更と企業の資金繰り・経営分析
◆このちょっとした変更がじつは影響莫大!
公共交通機関(電車・バス)等で使えるICカード(Suica・PASMO)にオートチ
ャージ機能を付けると、現金入金の手間が省け、とても便利ですよね。
ほんの少し前までは予め設定した最低残高を下回ると、次回の改札通過時に自動で
一定額がチャージされていました。
ところが、つい最近、改札を出る時にオートチャージされる設定となっていました。
お気づきでしたか?
「改札入場時」から「改札出場時」に変わっただけですが、この期間の短縮は
資金回収にものすごく影響があります。
たとえば、JR東日本のSuica、矢野経済研究所のレポートによると、この事業で
2020年度までに一日当たりの最高者数800万件の達成を目指すとされています。
この数字を前提とし、仮に1%の人が1回3千円を1日早くオートチャージした場合、
2億4千万円が1日早く回収できる計算になります。
資金繰りの要諦である「入りは早く、出は遅く」の入りの部分に莫大な貢献がある変更です。
さらに、残額不足で改札で止まってしまう心配から控えていた駅ナカでの買い物
をする人数も増え、資金繰り以外の売上増にも貢献することになります。
◆貴社の資金繰りの改善は?
貴社の資金繰りを改善するためにはどんな工夫があるでしょうか?
ICカードのようにシステムの変更で変えることは難しいでしょうが、
どこかに何かがあるはずです。
売掛金は何日で回収できていますか?買掛・未払金は何日で支払っていますか?
相手先との関係もありますので、一概に入金期間を短縮したり、支払日を勝手に
延期したりすることは難しいかもしれません。
でも、もし貴社が同業他社と比較して現在不利な条件であれば、同業他社レベル
まで改善する余地は残されているはずです。
担当:内山 雄介