ふるさと納税の見直し
◆2019年6月1日からの制度変更
一部自治体のお礼の品は寄附に対しての割合が高すぎる、過度な競争が起きて
いるとして、今年6月1日以降の寄附について、大臣が指定しない自治体に対して
の寄附は、ふるさと納税における住民税の特別控除が適用されなくなります。
◆ふるさと納税適用外の自治体
2019年6月1日以降、ふるさと納税の対象とならない団体は、東京都(申込書の
提出が無かった)、静岡県小山町、大阪府泉佐野市、和歌山県高野町、佐賀県み
やき町の5団体です。6月から5団体への寄附については、一部Webサイト・報道等
では「寄附金控除が適用されない」といった文言も見られますが、「ふるさと納
税の特別控除の対象とはなりません」というのが正解です。
実際には所得税の寄附金控除と住民税の寄附金税額控除(本則分)は適用され
るため、適用外の自治体への寄附のすべてが控除されないというわけではありま
せん。ただし、「2,000円でお礼の品がたくさんもらえる」のが売りの制度です
から、ふるさと納税から除外された自治体への寄附は「お得でなくなった」ので
、「寄附が集まらなくなる」のは確実でしょう。
◆指定団体が2パターンある
また、総務省のWebサイトでは今年6月1日から翌年9月30日までと、今年6月1日
から今年9月30日までの自治体の2パターンの指定がされているのが確認できます
。
期間の短い自治体については2018年の調査で返礼割合実質3割超の返礼品を送
付している・地場産品でないものを送付していると名指しされている団体が多い
ことから「対象期間が長いと適切でない」として4か月の指定とされているよう
です。指定が4か月の自治体は再度7月に総務省にふるさと納税の適用申出書を出
すことになりますから、今後もふるさと納税の対象外となる自治体が出てくるか
もしれません。
「お礼の品やポータルサイト等の利用料を含め、ふるさと納税に係る経費は寄
附金の5割以下とすること」というルールや、ヒアリングや追加資料提出依頼等
がある旨の通達を鑑みるに、総務省はふるさと納税の運営基準の厳守を徹底して
います。
担当:内山 雄介