前回は、今までの事業承継税制は制度として中途半端だった。

というところまでお話しました。

既存の事業承継税制のアウトラインは以下のようなものです。

・先代経営者が後継者に自社株を贈与（相続）した場合に贈与税（相続税）の納税が猶予される。

ただし納税猶予を受けるためには
・後継者は１名に限る
・猶予を受けられるのは先代代表者・筆頭株主の持ち株のみ
・猶予を受けられる株式は議決権総数の２／３まで
・猶予を受けられる税額は贈与税100％、相続税80％
・適用後５年間の雇用維持用件をクリアできないと猶予打ち切り。
・万が一廃業した場合には過大な税負担が生じる可能性がある。
といった要件（制限）が設けられていました。

結局は未来のことはわからないので雇用適用要件と廃業リスクを考慮して、使わない。

という会社がほとんどでした。

次回に続きます。