総合課税と分離課税
初めて所得税の申告書を初めて作成しようと見ると、そのマス(記入欄)の多さで
何をどこに記入するのか混乱すると思います。
慣れてしまえばどうということもないのですが、年に1回しか見ない用紙に慣れる
ことはなかなか大変なことです。
個人事業をされていて、毎年申告している方でも自分が記入する箇所以外は案外
分からないものだったりします。
特に不動産を売却したときや株式等を売却したときに、普段は使わない第3表とい
う様式を追加します。
第1表で記入する所得は、
「事業・不動産・利子・配当・給与・雑・譲渡(総合)・一時」
で、不動産を売却したり株式を売却したときの所得を記入する欄がありません。
そして、第1表で計算される各種所得の金額は、損益通算を経て合算し、その金額
によって適用する税率を決めて(累進税率)、税額を算出します。
このように各種の所得金額を合計して所得税額を計算する方法を総合課税といいます。
一方。不動産・株式等を売却した場合は、その取引内容によって固定の税率を適用
し、税額を計算する分離課税(他の所得と合算しない)によります。
(※源泉分離課税とは意味が異なります)
このように投資所得に固定の税率が適用されるのは、資産家にとっては有利な税制
と言えます。
退職所得も第3表に記載する所得であり分離課税です。
(※適用する税率は総合課税と同じ)
第3表を使用する場合は、いったん第1表で計算する総合課税の税額を第3表に転記
して、最後に第1表に戻るという分かりにくい過程を踏むことになるので、手書き
で申告書を作成するのは初めての人にとっては難しいと思います。
ただ、国税庁のHPなどを利用すれば勝手に作成してくれるので、この辺りは不安
に思う必要はありません。
お伝えしたかったのは、所得の種類によって計算方法が変わりますということだけ
でした。
担当:内山 雄介