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毎日寒いですね。
昨日も夜9時過ぎにお客さんのところを出たのですが、雪降っててまいりました
まあ、自宅がある千葉では降ってなかったんですけど。
今回も本の紹介です。
僕が生まれるずうっと前から税理士をされている(昭和33年税理士試験合格)山本守之先生が税務広報に連載されているエッセイの10年分を纏めた本。
こういう本って、実務家ぐらいしか読まないんだろうな・・・
この本の面白いところは、当時のエッセイをそのまま載せているので、たとえば立法当時の(といっても最大10年前だけど)背景や考え方、今はなくなってしまった(若しくは改正された)制度の変遷などが読み取れて興味深い。
読みやすい文章にするために、若干無理やりな会話調の文章なのが???なのだが、
山本先生の考え方にはいちいちうなづける。
たとえば、2001年に書かれている
『課税売上割合95%以上の場合の仕入税額の全額控除』
→(消費税の課税売上が全体売上の95%以上を占める企業には、受け取った消費税から、仕入税額=払った消費税を全額控除できる)
について、これが巨大な益税を生み出しており、消費税率の引き上げ議論の前に是正すべき問題だとされている。
わかりやすく考えると
課税売上高1000億円(消費税抜き) これにかかる消費税50億円
課税仕入高700億円(消費税抜き) これにかかる消費税35億円
課税売上割合を95%とすると、
現行制度だと 50億円-35億円=15億円の消費税納税
『課税売上割合95%以上の場合の仕入税額の全額控除』を廃止した場合だと
50億円-35億円×95%=16億7500万円の消費税納税
差額1億7500万円が益税。
こんなのがゴロゴロある。
ちょっとググッてみたら、この益税が売上の大きい上場企業14社だけでも計120億円もあるそうだ。
日本全体ならいくらになるのか?
95%ルールは事務処理に力を注げない中小企業に対して、実務の簡素化という意味では理解できるが、
大企業にまで適用する必要があるのかと疑問に思ってしまう。
担当:内山 雄介