特定路線価の設定に用心!
国税不服審判所(※1)が公表した裁決事例(裁決番号平240016)の中で、
特定路線価(※2)が設定されている場合は、接続する路線価ではなく、
特定路線価により宅地を評価することが合理的であると判断されました。
つまり、特定路線価の設定の申出を行い、その評価額も見て、その道路を接続する路線価
による評価額と比較をして有利な方を選択することは原則としてできないということです。
審判所の判断としては「その評定が不合理を認められる特段の事情がない限り」
特定路線価に基づく評価は、路線価の付されていない道路にのみ接続する路線の路線価
を基に評価する方法よりも、合理的であるとのこと。
※1 税務署や国税局などの執行機関から分離された別個の機関として、国税に関する法律に基づく
処分に係る審査請求について裁決を行い、納税者の正当な権利利益の救済を図る機関です。
国税に関する処分の不服申立の原則的な流れを簡単に説明すると、
処分を行った税務署長等に対して、処分の通知を受けた日の翌日から2か月以内に「異議申立て」
を行うことができます。
この異議申立てに対する税務署長等の決定(異議決定)があった後の処分に、なお不服があるときは、
その通知を受けた日の翌日から1か月以内に国税不服審判所長に対して「審査請求」をすることができます。
※2 相続税や贈与税の申告をする場合に、路線価地域内において、路線価の設定されていない道路のみに
接している土地を評価する必要があるときには、特定路線価の設定の申出をすることができます。
担当:内山 雄介