果実酒提供が酒税法違反に
先週の朝日新聞記事です。
北海道ニセコ町のペンションが自家製の果実酒を宿泊客らに有料で提供していたところ、札幌北税務署から酒税法違反に当たるとして、没収・廃棄処分の行政指導を通告されていたことがわかった。27年前の開業当初から続けており、ノウハウ本も出しているオーナーの池田郁郎さん(53)は「同様の提供はあちこちで行われている。実態に合わぬ酒税法を考え直すべきで、自ら廃棄はできない」と困惑している。
池田さんが造っているのは一般の梅酒と同様に果実を焼酎などに漬け込んだ飲み物。「どぶろく」などと違い、アルコール醸造はしていない。しかし、酒税法はこうした果実酒でも、自分や同居家族以外の他人に提供すれば、有償、無償を問わず違反と定めている。
ただ、実際には他人に分けたり、商売に利用したりする人は多い。池田さんはナナカマドやライムなどで造った100種余りの果実酒をワイングラス1杯300円で提供してきた。そのことを話題に地元テレビにも時々出演していた。
池田さんは「ホームページなどで果実酒の話題を掲載していたので、チェックされたのかも知れない。だが、世の中の実態に合わない法律こそ見直されるべきだ」と納得しきれない様子。一方の札幌国税局は「造るには製造免許が必要」とし、同ペンションを特に行政指導した理由については「個別案件にはノーコメント」としている。
こんなのいちいち取り締まっていたら、大変でしょうに。。。
ご参考までに酒税法より果実酒の定義です。
果実酒
次に掲げる酒類でアルコール分が20度未満のもの(ロからニまでに掲げるものについては、アルコール分が15度以上のものその他政令で定めるものを除く。)をいう。
イ 果実又は果実及び水を原料として発酵させたもの
ロ 果実又は果実及び水に糖類(政令で定めるものに限る。ハ及びニにおいて同じ。)を加えて発酵させたもの
ハ イ又はロに掲げる酒類に糖類を加えて発酵させたもの
ニ イからハまでに掲げる酒類にブランデー、アルコール若しくは政令で定めるスピリッツ(以下この号並びに次号ハ及びニにおいて「ブランデー等」という。)又は糖類、香味料若しくは水を加えたもの(ブランデー等を加えたものについては、当該ブランデー等のアルコール分の総量(既に加えたブランデー等があるときは、そのブランデー等のアルコール分の総量を加えた数量。次号ハにおいて同じ。)が当該ブランデー等を加えた後の酒類のアルコール分の総量の100分の10を超えないものに限る。)
甘味果実酒
次に掲げる酒類で果実酒以外のものをいう。
イ 果実又は果実及び水に糖類を加えて発酵させたもの
ロ 前号イ若しくはロに掲げる酒類又はイに掲げる酒類に糖類を加えて発酵させたもの
ハ 前号イからハまでに掲げる酒類又はイ若しくはロに掲げる酒類にブランデー等又は糖類、香味料、色素若しくは水を加えたもの(ブランデー等を加えたものについては、当該ブランデー等のアルコール分の総量が当該ブランデー等を加えた後の酒類のアルコール分の総量の100分の90を超えないものに限る。ニにおいて同じ。)
ニ 果実酒又はイからハまでに掲げる酒類に植物を浸してその成分を浸出させたもの若しくは薬剤を加えたもの又はこれらの酒類にブランデー等、糖類、香味料、色素若しくは水を加えたもの
担当:内山 雄介