大手オークション会社の申告もれ ~中央区の税理士ブログ~
ジャスダック上場の公開オークション会社「シンワアートオークション株式会社」が東京国税局の税務
調査を受け、平成23年5月期までの3年間で約4千万円の所得隠しを指摘されていたとのことです。
報道によると、出品者が代理出品者の名前で出品させて落札される場合、落札代金はいったん
代理出品者の口座へ振り込まれる。
その後、代理出品者の口座から現金出金され、匿名手数料名目でオークション会社が手数料分を
差し引いてから出品者本人に代金が渡されていたとのこと。
この匿名手数料が現金で受領していること、通常の手数料とは別途のものであることを奇貨として、
売上に計上していなかったようです。
出品者(個人)が所得税の申告をするときは、匿名手数料が差し引かれた後の金額を売却代金と
するのでしょうが、通常の手数料や同社が発行する取引明細書がどうなっていたのか気になります。
この美術品の売買で売却益があれば、所得税の申告が必要ですが、この申告について調査が行われた
場合、落札者が振り込んだ金額と申告された売却代金が一致しないので、すぐバレてしまうような気もしますが・・・
となると、この匿名取引をする人はきっと申告しないことが前提なのでしょう。
(もちろん売却益がなければ問題ありません。)
美術品は不動産を違って登記されているわけではないので、所有者の異動を簡単には把握できません。
したがって、所得税の申告や相続・贈与税の申告から漏れているのではないかという危惧があっての調査
なのかもしれません。
担当:内山 雄介