ハズレ馬券の経費、その後・・・
みなさん、こんにちは。
昨年末に、競馬の当選金を申告・納税してなかったとして、所得税法違反で起訴されていた事件がありました。
当ブログでも、競馬当選金の税額はどのように計算するかを記事にしました(24.12.3の記事)。
ここで、ハズレ馬券が経費になるかどうかが世間を騒がせ?ましたが、今回の判決では原告の主張が認められ、ハズレ馬券が経費となると判示しました。
この大阪地裁の判断により、検察から3年で5億7000万円を脱税したと起訴された税額が、5200万円に激減しました (ノ゚ο゚)ノ
テレビのニュースでは「娯楽範囲を越え資産運用で馬券購入の場合、ハズレ馬券の購入費も必要経費とすべき」
と表示されてましたが、これでは主観的な判断で経費になったりならなかったりするような印象があります。
しかも妙に「ハズレ馬券が経費になる」部分が強調されていたので、誤解を招くような気もします。
この起訴された人は、
「勝ち馬を予想するソフトを使って3年間に、28億7000万円分の馬券をインターネットで購入し、当たり馬券で30億1000万円の払い戻しを受けて、差し引き、1億4000万円の利益を出した。」
という個人の娯楽を超越したレベルでお金を投入していたので、所得区分が一時所得ではなく雑所得だと裁判官から認定されました。
所得区分が変更されたため、所得(もうけ)の計算方法も変更され、結果としてハズレ馬券の購入費が必要経費に算入されたのです。
このように、個人の所得税では所得の種類(10種類)ごとに計算方法が決められているため、所得区分の判定が変わってくると税額が全く変わるという特性があります。
古くは、ストックオプションの所得区分について裁判で争われましたが、このときは国が勝訴しています(国:給与所得 vs 原告:一時所得)。
普通の人が競馬当選金の計算をする場合は、従来通りハズレ馬券の購入費は必要経費にはならないことに注意が必要です。
ただ、どの程度であれば「娯楽範囲を越え資産運用で馬券を購入」したことになるのかは個別判断になるので、不明です・・・。
関係ないですが、この競馬予想ソフトってスゴイですね。。。(+_+)
実は、これと似たような事例が株式の売却についてもありました。
が、長くなってしまうので次回に続きを書くことにします。
担当:内山 雄介